核融合研へ・・・・・・

核融合・・・・・、この言葉の元に立花ゼミ生5名が岐阜県土岐市核融合研究所に向かった。もちろん、立花先生を含めて。いや、本来ならばもう一人、我らが時期リーダーも来るはずだったのだが・・・・・・、しかし彼は我々の前に現れなかった。それでも、行けなかった彼の無念を背負って我らゼミ生は、核融合の最先端を目の当たりにすることになった。核融合研究所とは、世界で始めてLHD(大型ヘリカル装置)を開発した研究所である。LHD(大型ヘリカル装置)とは、現在核融合に用いられているトカマク型装置に代わる核融合装置である。具体的には、超伝導コイルを用いて人工磁場を起こし、核融合の際に生ずるプラズマを封じ込める役割を持つ。プラズマを封じ込めることで、長期にわたる核融合の一定温度を保つことが出来るだけでなく、核融合時の質量と密度をも保つことが出来るのである。これまで、日本のみならず世界中で使用されてきたトカマク方式は、質量・密度の維持のみならず、一定温度を保つ面からも、その非効率性を指摘されてきた。特に、トカマクを維持する電気量が過剰なため、省エネルギーの観点から問題視された。LHD(大型ヘリカル方式)は、人工磁場でプラズマを保存するため、既存の発電所の電気を過剰に利用する必要がない点が特色である。ただし、発電所としての実用化に最低30年を要する見込みであり、普及にはなお多大な時間を要することが予測されている。取材では、核融合研の装置の見学・説明並びに、一部の装置の操作を我々ゼミ生がすることになった。未知の機器に触れたゼミ生の衝撃は計り知れないものがあった。取材の後は、3月21日に行われるシンポジウムで、核融合研での研究成果発表をする先生方の、プレゼンの練習を講評することになった。講評では、大衆の前での研究成果の発表の困難さを確認し、シンポジウムに向けて必要なことを互いに指摘することで、議論が続いた。研究と、研究者自信による成果発信・・・・・・・・、これらの要素はこれからの研究者に不可欠な要素であると確信したのである。   

  栗原 義明